丸竹材の通直整形システムの開発(第2報)
大内成司
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・北嶋俊朗
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・ 山 本 幸 雄
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・阿 部 優
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古田裕三
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・田浦良治
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・ 後藤 光
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青山岩雄
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産業科学技術センター
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竹工芸 ・訓練支援センター 研究指導課・
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京都府立大学
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MHI ソリューションテクノロジーズ㈱・
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( 合 ) グランベルク ・
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( 合) 青山竹材店
D
evel opm
ent of St r ai ght - Ref or m
i ng Sys t em
of Bam
boo Cul m
( Ⅱ)
J ohj i OUCHI
*
・Toshi r ou KI TAJ I MA
*
・ Yuki o YAMAMOTO
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・ Mas ar u ABE
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・ Yuz o FURUTA
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Yos hi har u TAURA
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・ Hi kar u GOTO
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・ I wao AOYAMA
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Oi t a I ndus t r i al Res ear c h I ns t i t ut e・
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Oi t a Bamboo Cr af t and Tr ai ni ng Suppor t Cent er
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Kyot o Pr ef ec t ur al Uni v er s i t y・
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MHI Sol ut i on Tec hnol ogi es Co. , Lt d.
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Gr andwer k& Co. , Lt d. ・
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Aoyama c hi kuz ai &Co. , Lt d.
要旨
現在、人手により行われている丸竹材の 通直整形作業は 経験と勘による 重労働であり、 後継者も少ないことから、
作業の機械化に取り組み、安価で量産可能なシステムの確立を目指し、金属塑性加工の3ロールタイプのロータリース
トレートナー方式を採用 した通直整形実験装置を開発し た。今回はその装 置を用いて整形実験を行った。そ の結果、
現段階での最適整形条件は、整形往復回数2回、スパン700∼800mmであると判断される。しかし、この条件でも現場作
業者の整形精度の8割程度の出来であり、さらなる精度の向上が必要である。また、高含水率の丸竹材は、乾燥した丸
竹材の整形条件で整形を行うと、繊維方向に割れが生じやすいことがわかった。整形後、6ヶ月経過した丸竹材の形状
測定を行ったところ、戻りは見られなかった。
1. はじめに
今年度は、昨年度に開発した丸竹材の形状計測装置と
通直整形実験装置を用いて整形実験行った.
第2報として,整形回数、押し込み量、ロール傾斜角
度及び支持ロール間距離(以下、スパンという)等が整
形精度に与 える影 響に つ い て検討 を行ったので報 告する.
2. 実験
2. 1 通直整形実験装置の 仕様
Fi g. 1 に開 発した 通直整形実験装置 の写真 とFi g. 2 に
その模 式 図を示 す。ま た、Fi g. 3 に整形 の原理 について
示す。この装置には、Fi g. 2 に示すように2個の支持ロー
ルと押し 込み用の 中央ロールが 配置されており 、これら
のロール は、丸 竹 材の長手方向 に対し30∼40° の角度で
傾斜している。また、スパンは50mmピッチで600∼1000mm
の範囲で調 整が可 能である 。ロ ー ルの形 状は鼓状 であり、
R210mmの円弧となっている。
整形の原理は,2個の支持ロール間の丸竹材を中央ロー
ルで押さえて曲げる3点曲げが,ロールの回転によって連
続的に回転移動 する.Fi g. 3 に示 す よ う に、長手一箇所
を考察す る と,中 央ロール 通 過 時 点に最 大の曲げ を受け,
前後半回転で少し 小さ め の逆曲 げを受け ,さ ら に一回転
前後ではより小さ な順曲 げを受 けることになる .どの部
位も順逆 の繰り返 し曲げ を小→ 大→小と 受けて 加工が終
Fi g. 1 通直整形実験装置
4 0° 8 0 c m
600∼1000mm
30∼40°
Fi g. 2 通直整形実験装置の模式図
大分県産業科学技術センター 平成19年度 研究報告
了するが ,その変形過程 を受けることにより真直状態に
揃うことになる.
2. 2 整 形 実 験
油抜き処 理(0. 05%NaOH水溶液 で20分 間の煮沸処理)
を施した 平 均 直 径22∼32mm、長さ4mのマダケ材 を試験に
供した.
整形を行 う前に は、丸 竹 材を軟 化さ せ る必要 がある。
現場では 、整形を 行う箇 所を局所的に加 熱し整 形を行う
が、本 研 究では 、丸竹材全体を 電気炉 により100∼110℃
に加熱し、 整形を 行った。 ロール の傾斜角度は丸竹材が、
回転によって順逆 の繰り 返し曲 げをより 多く受 けるよう
に30° とした。スパン800mmの場合、その間で丸竹材は約
14回転する。
Tabl e 1 に示 す条件 により 整形実験を 行った 。整形往
復回数を 1、1. 5、2、4回とし 、ス パ ン1000mmで は全ての
回数で行 った。800mmは1. 5、2回で行 い、700、600mmは2
回のみ行った。押し込み量は、スパン600mmの場合20mmと
し、その他の条件は30mmとした。
整形の固定化を 図る た め に、往 復の最終回時 に送り速
度を低速 (約1c m/ s ec . )に落 とし 、中央 ロール の下部付
近で丸 竹 材に直接冷水をあて冷 却を行っ た。そ の様子を
Fi g. 4 に示す。
スパン(単位:mm) 整形往復回数
(高速 低速) 1000 800 700 600
1
( 高: 0. 5 低: 0. 5)
○ − − −
1. 5
( 高: 1 低: 0. 5)
○ ○ − −
2
( 高: 1. 5 低: 0. 5)
○ ○ ○ ○
4
( 高: 4 低: 0)
○ − − −
高速:約6c m/ s ec . (ローラー回転数30r . p. m. )
低速:約1c m/ s ec . (ローラー回転数 5r . p. m. )冷却時
3. 結 果 及び考 察
3. 1 整形往復回数とスパンが整形精度に与える影響
今回開発 した形 状 計 測 装 置を用 いて, 整形前 ・後の形
状を測定し、左右方向の偏位量(Y)と上下方向の偏位量
(Z)を求 めた。 測定方法 については、 第1報に 記載して
いるので省略する。
第1報でも述べたが、現場作業者による通直材であると
いう判断 は,目視 によるものであることから, 現場作業
者が整形し た丸 竹 材の整 形 前・後 の形状 を測定し た結果、
整形後の 偏位量が 直径の 範囲内 に収ま っ て い れ ば,通直
であると 判断してよいと 考えられる。そこで、 その結果
をTabl e 2 に 示す。 整形往復回数 、ス パ ン毎に 整形前・
後の偏位量 (Y) と(Z) の値を 示している。整形後の偏
位量の値 が小さいほど真直状態 に近いことを意 味し、通
直精度の 指標と な る。今回使用 した丸 竹 材の平均直径は
22∼32mmであることから、 整形後 の偏位量 (Y) と(Z)
の両方の 値が20mm以下のものを通 直であると定 義した。
その定義 にあてはまる値 を朱書 きで、そ の比率 を最右列
に示す。
整形往復回数別に 見ると 1往復 と4往復 はその 定義にあ
てはまるものは無かった。1往復の場合は、順逆の繰り返
し曲げを受ける回数が少なかったためだと思われる。4往
復の場合 は、整形時間が 長い た め途中で 丸竹材 の温度が
低下し、 冷却に よ る固 定 化が図 れなかったためだと思わ
れる。整形中の温度低下 を防ぐことが出 来れば 、整形精
度は向上 すると考 え ら れ る。1. 5往復と2往復で は、スパ
ン1000mmの場 合、それぞれ29%、33%とさほど 差は見ら
れなかったが、 スパン800mmの場 合、1. 5往復で は20%で
あるのに対し、2往復では68%と高い整形精度を示した。
2往復における スパン 別に見 ると700mmが78% と最も高
く、次 に800mm:68%、600mm:57%、1000mm:33%の順
となった。
これらの 結果か ら現段階 での最適整形条件は 、整形往
復回数2回、スパン700∼800mmであると判断される。しか
+
−
−
観察点の
曲率時間変化
観 察 点
Fi g. 3 整形の原理
Tabl e 1 丸竹材の整形条件
Fi g. 4 冷却による固定化の様子 大分県産業科学技術センター 平成19年度 研究報告
偏位量(Y )偏位量 (Z )偏 位 量(Y )偏位量(Z ) 47 17 23 12 17 64 8 26 18 50 16 36 26 93 15 69 15 43 5 13 53 46 20 21 29 50 16 24 15 71 17 26 17 66 14 41 52 75 20 10 24 29 6 11 25 48 20 13 8 39 7 17 14 48 13 17 31 67 11 24 8 60 7 26 18 67 9 9 10 85 8 11 21 32 10 13 29 25 13 15 5 67 7 28 10 50 9 35 9 72 5 37 14 54 10 13 10 33 10 15 15 41 15 15 22 24 9 16 16 79 18 17 25 80 20 17 10 43 13 19 28 55 7 27 36 63 27 33 15 11 11 7 8 24 11 8 25 59 5 8 16 25 12 9 14 46 7 10 14 29 14 12 14 43 10 12 9 31 9 13 11 26 5 14 14 77 11 15 17 48 11 17 14 59 16 17 8 43 29 19 16 35 12 20 22 68 9 24 19 87 15 27 18 59 9 30 18 50 12 32 15 77 11 41 35 47 15 7 10 20 8 8 24 23 11 10
8 24 6 13 34 41 12 16 95 20 38 16 15 37 12 20 14 56 17 20 12 87 8 22 41 58 22 22 44 33 29 23 16 22 13 23 12 61 12 24 27 53 6 27 31 38 16 27 14 95 16 29 11 86 11 36 12 91 8 55 18 121 16 81 19 52 19 24 14 54 15 24 15 45 11 23 19 69 14 36 18 45 13 26
0 68
33 57
78 20
43 偏位量が20mm
以下の 比率(%)
0 1
1.5
整形前(mm) 整形後(mm)
整形往復回数 スパン (mm)
2
4
1000
800
1000
600
700
800
1000
1000
し、この条件でも現場作業者の整形精度の8割程度の出
来であり 、さ ら な る精度 の向上 が必要である。 整形前・
後の丸竹材をFi g. 5とFi g. 6 に示す。
3. 2 丸竹材の含水率が整形精度に与える影響
実際の現 場での 整形作業 は、油 抜き処理後、 若干乾燥
させた後 に行っている。 この時 の丸竹材 は、ま だ若干青
色が残っており、30%程 度の含水率で あ る。こ の様な高
含水率状態で整形作業を 行う理 由は、バーナー で局所的
に加熱し た際に焦 げ目が 付きにくいからである 。焦げ目
が付くと 商品価値 が低下 す る た め、水分 の多い 高含水率
状態で行っている。
そこで、 高含水率状態で の整形実験を 行ったところ、
中央ロ ー ル下 部 付 近で繊維方向 に割れが 入り、 整形を行
うことができなかった。 これは 、現場で の整形作業と違
い丸竹材全体を加 熱するため、 丸竹材全体が柔 らかくな
り、かつ 高含水率 のため 細 胞 間 層での剥 離が起 こりやす
くなったためだと考えられる。
3. 3 経時変化に伴う戻りの確認
整形後、室内に約6ヶ月間保管していた丸竹材の戻りに
ついて測定を行った。試験体数は4本とした。その結果の Tabl e 2 整形前・後の形状測定結果
Fi g. 5 整形前
Fi g. 6 整形後
大分県産業科学技術センター 平成19年度 研究報告
一例をFi g. 7 に示す 。グ ラ フの青 線が整形前、 赤線が整
形後、黄線が6ヵ月後の形状を示す。赤線の上に黄線が重
なっていれば戻り が無いことを 示す。グラフか ら分かる
ように黄 線が、ほ ぼ赤 線 上に重 なっており、戻 りは無い
と判断される。
4. ま と め
今回の結果をまとめると以下のとおりである.
・整形往復回数が 整形精度 に及ぼ す影響 を検討し た結果、
1往復では効果は見られなかった。1. 5往復、2往復では
整形効果が確認できた。
・現段階での最適整形条件は、整形往復回数2回、スパン
700∼800mmであると 判断される 。し か し、こ の条件で
も現場作業者の整形精度の8割程度の出来であり、さら
なる精度の向上が必要である。
・高 含 水 率の丸 竹 材は、 乾燥し た丸竹材 の整形条件で整
形 を 行 う と 、 繊 維 方 向 に 割れ が 生 じ や す い こ と が わ
かった。
・整形後、6ヶ月経過した丸竹材の形状測定を行ったとこ
ろ、戻りは見られなかった。
本 研 究 は 、 森 林 環 境 税 の 研 究 開 発 補 助 事 業 に よ っ て
行ったものである。
6- 1- 02(
Y 軸 方 向:
矯 正 範 囲 )
- 40
- 20
0
20
40
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
長 さ
(
mm)
曲
がり
量
(
m
m
)
beforeaft er
aft er(6ヵ月 後 )
6- 01- 02(
Z軸 方 向 ;
矯 正 範 囲 )
- 40
- 20
0
20
40
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
長 さ
(
mm)
曲
がり
量
(
m
m
)
before
aft er aft er(6ヵ月 後 )
Fi g. 7 経時変化と戻りの関係
大分県産業科学技術センター 平成19年度 研究報告